エキセントリック収縮という言葉を聞いたことありますか?
筋肉は伸び縮みすることで力を発揮したり、関節を動かしたりします。
日常生活でも、スポーツでも、日々動いている筋肉ですが、色んなパターンで筋力を発揮しています。
今日はその中の一つ、「エキセントリック収縮」について解説していきます。
これを知ることで、スポーツ中の怪我の予防、さらにはトレーニングの負荷を上げることも可能になるので、しっかりチェックしていきましょう!
①エキセントリック収縮ってなに?
日本語で表すと「遠心性収縮」と呼ばれ、筋肉が伸ばされながら力を発揮している状態のことを指します。
筋肉は他にも色々なパターンで収縮し力を発揮しますが、このエキセントリック収縮を上手く使いこなし、理解することでトレーニングの負荷を上げることができます。
対局的な動きの一つとして、「コンセントリック収縮(求心性収縮)」と呼ばれるものがあります。
こちらは、筋肉が縮みながら力を発揮している状態です。
一つ例を挙げると、腕相撲を思い出してみてください。
自分の方が相手よりも強い場合は、力を入れて相手の腕を倒すことができますが、この状態がコンセントリック収縮になります。
逆に自分よりも強い相手の場合は、いくら力を入れてもそれに敵わずに倒されてしまい、この状態がエキセントリック収縮になります。
エキセントリック収縮とは、「力を入れている状態」と「筋肉が伸ばされる状態」を組み合わせることがポイントになります。
意図的にこの状況を作り出すことで、より高い負荷を身体にかけることができるため、トレーニングの質を向上させることができます。
②トレーニングでの活用例
ダンベルを持って、肘の曲げ伸ばしを行い、上腕二頭筋(上腕の前側)を鍛える「アームカール」というトレーニングがあります。
このトレーニングは肘を曲げてダンベルを持ち上げた後、肘を伸ばして最初の体勢に戻っていきますが、持ち上げる際はコンセントリック収縮、戻していく際はエキセントリック収縮と様式が変わります。
この時、戻していく動きをゆっくり行うことで、上腕二頭筋には「力を入れている状態」と「筋肉が伸ばされる状態」となり、通常のスピードで元の姿勢に戻すことよりも高い負荷がかかります。
特に筋力トレーニングにおいては、持ち上げる動作に意識がいきがちで、降ろす動作は力を抜いてしまいがちです。
そこを意識的にゆっくりコントロールすることで、より強度の高いトレーニングが可能になります。
③注意点
高い負荷がかかるということは、筋肉や関節に負担が多くかかることになるため、怪我のリスクが高まってしまいます。
自分で強度を調整できる筋力トレーニングであればリスクはそこまで高くないですが、スポーツ中にエキセントリック収縮による負荷で怪我が発生してしまうこともあります。
代表的なものとしては、ランニング時のもも裏(ハムストリング)の肉ばなれがあります。
脚を大きく広げながら膝を伸ばして地面に着地した時、前脚のももの裏側にはエキセントリック収縮が発生します。
そうすると強い負荷がかかり、柔軟性が低い方や、筋力が弱い方などは肉ばなれが発生してしまうことがあります。
練習や試合前のストレッチや、疲労が溜まっていて力が上手く発揮できない時などこのパターンで怪我に繋がってしまうことがあるので、注意していきましょう。
いかがでしたでしょうか?
エキセントリック収縮は上手く使えば身体に高い負荷をかけることができますが、やり過ぎてしまうと身体に負担がかかり過ぎてしまい、怪我に繋がる可能性もあります。
この筋肉の収縮の仕方を理解して、適切な負荷でトレーニングを行ってパフォーマンスアップ、怪我予防をしていきましょう!
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